あらすじ

小惑星資源開発が、進んだ2028年。
先進主要各国は、地球近傍小惑星を中心とした小惑星を捕獲し資源採掘を行う宇宙資源開発が、市場経済を巻き込んで行われていた。
捕獲された小惑星は、地球と月の重力バランスの取れたラグランジュ1と呼ばれる軌道に留め置かれ、そこで採掘された希少資源がだけが
地球へ送られ産業に欠かせない資源となっていた。
日本衛星開発機構が保有する小惑星開発用汎用船「朱雀」に、新人として赴任してきたのが女性EVA(船外活動員)秋山輝。
彼女を迎えた朱雀のクルーは、お姉さんタイプの博美、船長とは名ばかりの官僚課長の若田、そして先輩EVA要員の鬼塚である。
パワハラなどどこ吹く風、鬼塚の輝へのしごきが始まる。
一方地上の日本衛星開発機構では、大きくなり始めた組織の中で少しづつ本流からそれ始めていた機構の役割に苦悩する局次長、岩波玲子の姿があった。
職務に忠実なあまり、育ててきた組織への愛着ゆえに、部下にも辛く厳しく当たる玲子だったが、市場原理を小惑星開発に持ち込んで
機構のトップに君臨した城島専務への対応に苦慮する日々。
そんな折に、作業船朱雀に新しい小惑星搬送のためエスコート任務の指示が下される。その小惑星は、アステロイドベルトから地球圏に向かって飛行中。
朱雀のクルーにとっては、小惑星をラグランジュ1の軌道に乗せるだけのいつもの業務であったはずなのだが…。

予想だにしなかったアクシデントが朱雀のクルーに決断を迫る。